種別(Category) 修士論文  
Master thesis
タイトル(Title) 直列型自己切返し堆肥化プラントを支援する微生物反応モデルの改良
Improvement of Aerobic Biodegradation Model to Support Vertical Self-Turning Reactor System
著者(Author) 中林儀光(日本)
NAKABAYASHI Yoshimitsu(Japan)
主査(Supervisor) 石田哲也准教授
A. Prof. ISHIDA Tetsuya
キーワード(Keyword)  
 
掲載誌(Events Venue) 東京大学修士論文
Master thesis of the Univ. of Tokyo
発表年・月(Published Year, Month) 2007.3
論文入手先(Name of Publication) 東京大学図書館
Library of the Univ. of Tokyo
要旨(Abstract) 本研究室では,コンクリート材料に関する研究成果をバイオプロセスへ応用する試みを2001年度から開始し,2003年度から解析シミレーションシステムの構築と,2005年度から従来とは異なる手法を用いた実規模のコンポスト化プラントの開発をタイ国で行っている.解析シミレーションシステムは,セメントの若材齢時の固体形成過程,長期の供用期間に起こる劣化現象の定量的評価を行う三次元有限要素法を用いた熱力学連成解析システム「DuCOM」を基盤とし,大規模コンポスト化プラントにおける有機廃棄物の好気性微生物分解シミレーションシステム「BioDuCOM」へと応用したシステムである.タイ国での実規模のコンポスト化プラントの開発とは,重力エネルギーを利用したコンクリート攪拌技術「MYBOX」をコンポスト化プラントにおける攪拌装置「BioMYBOX」へと改良した装置を用いた「直列型自己切返しコンポスト化プラント」を開発するプロジェクトである.「BioDuCOM」,「直列型自己切返しコンポスト化プラント」は現在開発段階である.プロジェクト全体の目標は,「直列型自己切返しコンポスト化プラント」の運営を「BioDuCOM」で支援することである.   筆者は,「BioDuCOM」における微生物分解モデルの改良に従事した.実環境下での好気性微生物分解反応は,様々な影響因子により左右される.温度,含水率,酸素濃度,基質量,基質サイズ,基質の種類,微生物の種類,阻害物質の蓄積などが影響因子となる.現在,「BioDuCOM」における微生物反応モデルは,単純な式により構築されたモデルを使用している.筆者は,微生物分解反応モデルの定量化を目標とした. 実験では,小型コンポスト反応槽を用い,様々な環境条件下で,基質が好気性微生物分解される際に発生する二酸化炭素発生速度を測定する実験を行った.また,「直列型自己切返しコンポスト化プラント」はタイ国での実用化を目標としているので,タイ国の環境下において,現地有機廃棄物材料を用い,中規模好気性微生物分解実験を行った. 小型コンポスト反応槽を用いた実験結果とタイ国で行った実験結果から,微生物反応モデルの改良,追加を行った.「BioDuCOM」に導入済の「温度」,「含水率」が微生物分解反応に及ぼすモデルの定量的改良を行い,「コンポストに投入する基質割合」,「基質の初期C/N比」が微生物分解反応に及ぼすモデルを追加した.「コンポストに投入する基質割合」が多い場合は分解に必要な微生物数が不足するため,基質の分解効率が落ちる.分解効率は「収率」と呼ばれる単位質量あたりの基質から発生する微生物量に起因する.「コンポストに投入する基質割合」が多いと「収率」が低下することを「BioDuCOM」に導入した.「基質の初期C/N比」が低い場合は,窒素成分が多く,アンモニア蓄積によって反応が阻害されるため,基質分解速度は低下する.「基質の初期C/N比」が高い場合は,窒素成分が少なく,菌体形成に必要な窒素成分が不足し,微生物分解速度が低下する.前者のアンモニア蓄積による微生物分解速度の低下は「BioDuCOM」に導入済みであるが,後者の窒素成分の不足による微生物分解速度の低下は,未導入であった.そこで,「基質の初期C/N比」別実験から窒素成分に着目し,モデル化に取り組み,「基質の初期C/N比」項を「BioDuCOM」に導入した. 実験結果より,「温度」,「含水率」がコンポスト化反応に及ぼす影響を反映し,解析により実験結果を再現することが可能となった.「コンポストに投入する基質割合」と「収率」の関係において,基質投入量が多すぎると微生物が不足し,反応効率が低下することを表現可能とした.基質の最適C/N比は,22-24(31),(32)とされている.「基質の初期C/N比」を考慮したモデルを導入することによって,モデル導入後の解析結果では,「基質の初期C/N比」が22-24の場合に最も多く基質が分解されることを表現可能とした.