種別(Category) 卒業論文  
Graduation thesis
タイトル(Title) 養生不十分なRC床版の雨水存在下における疲労破壊に関する研究
Fatigue failure of Insufficiently Cured RC Slabs under the presence of Rainwater
著者(Author) 橋川淳(日本)
HASHIKAWA Atsushi(Japan)
主査(Supervisor) 前川宏一教授
Prof. MAEKAWA Koichi
キーワード(Keyword)  
 
掲載誌(Events Venue) 東京大学卒業論文
Graduation thesis of the Univ. of Tokyo
発表年・月(Published Year, Month) 2007.3
論文入手先(Name of Publication) 東京大学図書館
Library of the Univ. of Tokyo
要旨(Abstract) RC床版は橋梁において自動車による疲労荷重を受ける部分であり、RC床版の疲労問題が橋梁の設計・維持管理上の大きな問題となっている。 1960年代以降、高度経済成長期の日本では、交通量が増大し、過積載等により床版の疲労問題が深刻化した。また、それとは別に、床版に雨が降ることでコンクリートと舗装の間に滞留する雨水が床版の疲労を促進することが分かってきており、1980年代を中心に水の影響下での床版の疲労問題が数多く研究されてきた。その結果、即時対応に資する研究成果が得られ、床版の厚さを増やす、雨水の浸透をを防ぐ、といった対応がなされることで、一応の解決を見たのである。 しかし、その後、実際の橋梁で同一の配合から作られ、同一の環境下にあった床版にも関わらず、ある箇所は十分に疲労強度を持っており、また別の箇所では想定されていた疲労強度の1/100程度の疲労寿命しかもっていないという事例が報告された。その要因として、疲労に弱かった箇所では、施工段階で十分な初期養生がなされていなかったということが明らかになってきた。実際、不十分な初期養生を受けた床版の疲労に関しては、そのメカニズムはほとんど研究されておらず、そのため、疲労寿命を確保するに必要な施工(養生)管理基準が明確になっていないために、総合的な品質が達成されていない状況にあるといえる。 以上の背景のもと、本研究では、不十分な養生が水の影響を受ける床版へ及ぼす影響を定量的および定性的に分析することで、床版の設計・施工管理および維持管理に生かすことを目的として、実験を行った。 第一の実験では、不十分な養生を受けたコンクリート供試体(シリンダー供試体)の水中疲労破壊実験を行った。この実験では、不十分な養生によって多数の初期損傷が発生した低品質コンクリート(シリンダー供試体)を水中で疲労破壊させることにより、不十分な養生ではコンクリートの水中疲労寿命はどの程度変わるのか、また実際にどのように破壊が進行するのかを観察して、RC床版の疲労破壊現象を考える先駆けとしたものである。 第二の実験では、床版の縮小模型を用いた水の存在下での疲労試験を行った。より実際の床版に近い条件での実験を行うことで、水の存在下での疲労破壊のメカニズムをより詳しく探ろうと考えたためである。 その結果、不十分な養生を受けた床版が、水の存在下で曲げによる疲労荷重を受けた際、床版を圧縮ゾーン・引張ゾーンに分け、特に圧縮ゾーンのコンクリートが荷重に対し強度を保てるかどうかが、曲げ耐力に大きく関わっていることを明らかにした。また、圧縮ゾーンのコンクリートは不十分な養生を受けると、4つの要因(@空隙A組織構造Bひび割れCくさび効果・界面エネルギー)が変化することにより、強度が低下することを推定するに至った。