第4回ローマの集い
司会:稲葉  書記:富田

司会:大体の流れとしては内部の混乱、そして流血。時計回りで一言ずつ。
藤森:7巻で奴隷制度についての詳細がわかった。家庭教師は高給。一致団結できないように奴隷階級内でも実態としては差があった。これまでのローマはうまく行き過ぎていたけれど、農地改革には時間がかかる。ローマ人は頭悪くなったかと思った。
谷道:元老院は陰で操る。ローマ人は裏でこそこそやるのが嫌いって書いてあったのに、矛盾していないか。
池田:印象に残ったのが同盟者戦役。とうとうきたな。発展的な形で終わったのが面白いと思った。執政官を殺したり、見方同士で政治にかかわることで殺し合いをしたりしていたのが衝撃的だった。
司会;発展的な形って?
池田:都市国家が乱立している状態から、地方自治みたいになった。一体感が出てきた感じ。
富田:7巻の最後のほうのミトリダテスの手紙が印象に残った。この本はずっとローマ人に注目して書かれてあるのでローマ外の視点が新鮮だった。先週穏やかな帝国主義について話したけど、ローマの覇権を認めてローマの支配の中に入れば支配される側も平和や安定を享受できてこれまではそれでいいじゃんと思っていたが、支配されているほうはそのような安定ではだめなのかと思った。
千々和:いろんな時代背景あった。マリウスの決めた軍隊の専門家は今までのローマとだいぶ様子が変わった。個人名が出てくる、個人の権力。帝政に向かっていくのでしょう。今後のカエサルに向かっていく感じ。
先生:3巻好き、2巻よりも好き。おいおい話していきます・・・
鈴木:混迷の中でも地図を見ると、確実に黒い部分が広がっている。制度は疲弊していても、ローマの拡大志向は健在。うまくいかなくなった部分は今後帝政で解決されていくのでしょう。
先生:今回読んで5年前に読んだときと違う感想を持った。前はグラックス兄弟はきらいだった。今は結構いいなと思う。スッラは昔から好き。
藤田:ページ開くたびに何万人単位で人が死ぬのが苦しい。今までと違って野心家が多い。千年のスパンとかでも、人の性質はそんなに変わらないと思った。
司会:自己矛盾を抱えている。拡大しているとそれが顕在化する。王政から共和制への移行の時も血が流れた。今回も流血。変わらないといけないという中からの動きは抗争の中で明らかに。

司会:登場人物がたくさん出てきた。変化に合わせて人間がたくさん出てきた。今回はグラックス兄弟でいこうと思っているのですが、それ以外に話したい人間はいますか?
先生:グラックスのお母さんもいいよね。
一同:ああ〜。

司会:グラックス兄弟から行きましょう!
谷道:一人で爆笑したところがある。6巻の85ページ。兄と弟の演説の違い。ガイウスは火を噴く。トーンが上がりすぎたときに奴隷が鐘を鳴らすのが面白かった。
司会:自分のことよくわからないものなのに演説の途中で気づくのえらい。
藤森:上がりすぎたら奴隷の鳴らしたのにも気づかない。笑
鈴木:母がすごいよね。29ページ。子は母の胎内だけでなく、母親の取り仕切る食卓の中でも育つ。
池田:母親の家は兄弟が死んだあとも、サロンとなった。
藤田:グラックス兄弟は青臭い。
先生:僕は昔グラックス兄弟嫌いだった。青臭い。過激だったらうまくいくこともうまくいかなくなってしまうよ、といいたくなる。けど、ずるくないのはいいよね。ずるさがない。
藤田:もっとうまくやったらもっと好きだけど、けどできないあたりも好き。
鈴木:この人がいなかったらこの後がないから印象には残っている。
先生:グラックス兄弟は知力はすごくある。
藤森:元老院は私欲にこだわり始めた。
先生:元老院はダーティーなのがここら辺から見え始めたよね。
藤田:敵ハンニバルがいなくなったことで自分の利益を考える余裕が生まれてきたのでは。
司会:改革を始めた点がすごい。ヒよらない点がすごい。ところで農地法についての意見を出してください。
鈴木:農地法ってどれ?
藤田:センプローニウス農地法が最初じゃない?これはまっとうな法律だったからおおぴらに反対を唱えられなかったんだよね。
鈴木:元老院は自分たちの力をそぎとられるからいやだった。
司会:ローマ軍を構成しているのが一般市民。ポエニ戦役の後に市民がふにゃふにゃになってしまった。それを見たグラックスがやばいと思って立ち上がった。プロレタリアートが増え始めた。何でプロレタリアートになったんだっけ?
富田:シチリアから安い小麦が流入して零細農家が無産市民に。
司会:軍隊の、ローマにおける役割は大きい。その観点から、無産者を有産者にしたいという法律だったと思います。
藤田:農地法自体が問題だったのではなく、グラックス兄弟が資金源をペルガモン王国が残したものをそのまま転用しようとしたことでは。既得権の侵害。
鈴木:決めるのが元老院ではなく、一般ってことが。

先生:元老院や護民官の権力の範囲があいまいになっている。ダブっちゃったり。役割や権利を犯している。
藤田:遺産をそのまま転用するというのは、転用自体が問題というより、元老院に話し合わずにやったことが問題。既得権が揺さぶられるというより、これを許すと制度がおかしくなるという点で譲れん。
藤田:グラックスは空気が読めない人。
先生:護民官でやらなきゃよかったのに。
谷道:けど筆者は護民官でやることに意義があったって書いてあるよね。
司会:グラックス兄弟は頭よかった。なのに執政官になるまで待てなかった。
千々和:元老院の人々を信頼・信用できなかったのとだ思う。良識派が反対に回ると達成できないと思ったのでは。元老院の中でも将来が見えていることがわかっていた人いるはずだろうに何で何もやらなかったか不思議。
池田:時期尚早と思ったのでは。
藤森:わかっていた人は兄弟を守るべきだったんじゃないか。そういうサポートとか説得はなかったのだろうか。
司会:改革は勇気のいるもの。この時代のローマの中ではグラックス兄弟しか出てこなかった。発想の転換はやはりグラックス兄弟以外できなかったのでは。スッラも出てきて保守派に回る。頭よくても先が見えないことへの不安。良識派といってもそこまでがんばらなかったのでは。
鈴木:とはいえ結果が大事。グラックス兄弟は結果を残せていない。
池田:どんなに正しいことでも状況によってはうまくいかない。それも判断していたのでは。
鈴木:結果が出せなかったことが嫌い。
司会:人生の中で結果を出せなかったことは青臭い。けど
先生:すごい先見性を持っているよね。マキャベリの言葉で武器を持っていない預言者っていうのがせつない。
藤森:元老院一本に絞ろうとしている。護民官で改革を行おうとしている。ひとつにまとめるのは対外的危機がないとうまくいかない。敵いないとまとまれないものなのかと思った。
藤田:兄弟は別に元老院をつぶそうとしていたわけではないよね。
みんな:ないね。
先生:兄弟はどういうものを先に見ていたのかわからないよね。
鈴木:単純に今ある問題を解決しようとしていただけでは。
池田:長期的な目では見ていなかった。
藤森:システムを作るところまでは見られない。
司会:そこもやっぱ読みが甘かったのでは。
藤田:別に兄弟は体制を変えようとは思っていなかったのでは。ただ土地を分け与えようとしていた。
鈴木:早死にしていなかったらたいしたことやっていなかったかも。ただ土地の分配をしただけかも。
谷道:早死にしていなかったらうちらの見方変わったかも。
鈴木:スッラはうまくやる人。カエサルも。うまくやる人の台頭。
先生:人口構成の変化。マリウスが軍制改革で失業対策。けど結局戦争なくなると解散しちゃう。
鈴木:途中で市民増え始めたよね。ガイウスが死んだ跡、人口増え始めた。法的には続行していたからちょっとは効果が現れていた。
先生:農業人口は何割くらい?9割?
鈴木:騎士階級は社長さんみたい。
千々和:グラディエーターのイメージ。みんないつもは農耕に従事、なんかあったときに武器持つ。
鈴木:来週映画みるか?
千々和:要は農民が多かったって。
鈴木:騎士階級も農業を経営していた。
千々和:農業以外の仕事って何があったか?
鈴木:工は一応いた。
谷道:奴隷もそんなに悪いものではない。
先生:それは名言だね。
先生:そういえば1巻のときの奴隷についての疑問は、この巻で氷解したってことだね。
谷道:医者も奴隷なんでしょー。
鈴木:子供は一番安い。
藤田:子供が非熟練労働者になるのだったらやすいのもわかる。
鈴木:けど子供は一番ながく使えるじゃん。
谷道:階級上がっていくんだよね。やったー昇進したーみたいな。
藤森:この当時も奴隷という言葉で呼んでいたのか?
藤田:雇用者と被雇用者という関係だといえる。けど奴隷には自由はない。
藤田:そういう意味ではうちらも奴隷。
先生:自由奪われているの?

藤森:奴隷も人間として尊重されていると思う。いい人間関係にあったと思う。
司会:奴隷は従業員と捉ええられるのではないか。従業者は株式会社でもそんなに権限無い。
鈴木:今のサラリーマンも奴隷みたいなもんだよ。
藤田:「〜だと思う」って会話が多すぎない?もっと本に沿った議論しようよ。

司会:失業者をどこに吸収するか?根本的な課題は何かは今後注意していくとして、奴隷制度は割といいねってことで。
鈴木:どっかの年代から、市民が奴隷に身分が落ちるのを禁ずるようになるよね。まだだっけ?プロレタリアートは奴隷になれるの?
藤森:一般市民としての誇りを重視した。その観点から市民は奴隷にならなかったのでは。
鈴木:プロレタリアートは何をしていたのかがまったく見えてこない。フリーター?
先生:その日暮らし。そして賃貸住まい。
鈴木:プロレタリアートは新宿のホームレスみたいなのを想像すればいいのか?
先生:こういうのは文献ありそうだよね、調べてよ。

藤田:農地法はラディカル。今の時代でいえば、あなたホームレスにいくら土地あげて、みたいな次元でしょ。

司会:議論出尽くした感じ?次はマリウスに行きます。一応マリウスはグラックス兄弟と同時代の人とかかれています。
藤田:マリウス頭・・・
鈴木:この時代からでもはげている人ははげているんだね。
鈴木:カエサルは若いときの彫像ばっかり作らせているよね。
千々和:カエサルは最初の奥さんのお父さんがマリウス??あれ?
先生:マリウスの奥さんの実家にカエサルが誕生。結構遠い。
先生:南米のガルシアマルケスの「百年の孤独」、ホセが大量に出てくる。家系図書こうと思ったけど挫折。
司会:(家系図をホワイトボードに書く。)カエサルはユリアとマリウスの間の娘と結婚。それにスッラが怒った。マリウスは平民貴族、周辺から出てきた軍人さん。エミリアヌスはこれからの軍団を率いるのはこいつだとして目をつけていた。
先生:マリウスは執政官になった回数はすごい。
藤森:8回とか
先生:マリウスは本当に軍人。それ以下でも無くそれ以上でもない感じがする。
司会:軍事的な感覚は政治にも必要な感覚だと思う。
千々和:個別の会戦には強いけど、戦略を練るのは下手。執政官として必要なのは戦略の面。マリウスにはそれが欠けていた。
藤田:マリウスは復讐して終わった感じ
鈴木:一国のトップに立つような器には見えない。百人隊長にとどまるような人。
司会:執政官にならざるを得なかった。
藤森:失業対策をやってのけた。
先生:非意図的に、ね。もし考えてやっていたのであればすごい人だけど
藤田:
先生:ひとつのことに突出しているのはすごく人をひきつける。今年の入学式で小宮山総長は,ジェネラリストになるためにも必ず一本の専門軸が必要という話をされた(一芸は多芸に通ず)。ひとつの分野でものすごく強い人こそ、真のジェネラリストになれるといっていた。
藤森:ひとつのことをやりつめないと、人をひきつけられない。
藤田:国際プロジェクトの実践1で誰かがプランニングをやりたければ、水理学など学問という武器がないといけないといっていたのを思い出す。つながっていると思う。
司会:小宮山先生は化学システム学科で高い専門性って言う話をされていた。深い専門性ではなく、高い専門性。でも社基にきちゃった。
藤田:社基ってなにやってるのって聞かれると困る。あれもこれもやってるから。
谷道:社基って広いよね。
先生:人にも自然にもかかわる。
千々和:軍事以外・・・

藤森:マリウスは執政官にならされた感じ?(?私の聞きそびれです。)
先生:器が人を作り上げる。
藤森:年齢も大事。
鈴木:執政官は若いとできないし。
藤田:軍事の才能はあったけどマリウスは追放されるわ、復讐するわ、それで死ぬわ、かわいそう。
鈴木:同盟者戦役大事。そこでのマリウスの影薄い。このときの執政官は
藤田:ルキウス・ユリウス・カエサル。

司会:同盟国の市民にも市民権を与えるというのも重要なポイントでしたね。そういえばそれも大きな改革の流れでしたよね。同盟者戦役について触れよう。
先生:181ページの地図。
千々和:ローマって意外と小さい。
藤田:ローマって飛び地。
鈴木:だからこそ守りやすかったという面もあるだろうけど
藤田:イタリア半島でもこんなにしか占めていない国が広く覇権国家になろうとしているのだから馬鹿だよね。
先生:
ちじわ:ここで始めてイタリア民族って言葉が。
鈴木:イタリアとか言う名前はいつからあるのか?
藤田:イタリアってどういう意味?
先生:長靴ってことはローマ人知っていたのか?
鈴木:そりゃ知っていたんじゃないですか。
先生:絶対知っていた。変なこと言ってしまった。
藤田:近代になってイタリアって言う名前を出してくるの面白い。
先生:イタリクス
鈴木:イタリアを象徴する牡牛の貨幣。185ページ。イタリアとしての統一感あったっていえるのでは、象徴持っているのだから。
司会:狼じたいはロムルスからきている
鈴木:イタリア人って言う認識はあったのか?
司会:僕が考えているイタリアとは半島全体をイタリアと考え、その半島の中にローマがあり、半島のローマ以外のところにすむ人がイタリア人だった。
先生:ラテン語を話す人。
先生:ラテン民族にはフランス人も入るし。
鈴木:それは近代では?
千々和:徳川幕府がローマであって、・・・
鈴木:辞書で調べるとイタリーは雌牛。けどこの本では雄牛。
藤森:日本人は日本国ってすごく国を意識するが、・・・
先生:愛知って名前すごく哲学的だよね?由来は?
鈴木:(聞き取れなかった!ごめんなさい!)

司会:同盟者戦役について話を戻すと
鈴木:けっきょく法律で解決した。元老院も文句いったけど
先生:ローマもしまった!と思ったよ。あなたたちに理がありますよって。
先生:市民権を持つことの意味。市民権が得な時代とそんな時代で意味が違ってくる。システム作りっていうのは難しいね。システムを構成する要素が変わるとシステムがいきなり働くなってしまったりする。失敗学みたいな。読んでる?
谷道:読んでます。
ちじわ:けどそれでもローマはつぶれないのがすごい
藤田:人材豊富
鈴木:ゆり戻し。
藤森:ローマは広げているからつぶれない。
谷道:モンゴルは広げたけどつぶれた
鈴木:ローマは全体を底上げしてやっていこうとした。
藤森:元老院定員増やしたり
鈴木:人ってそこらじゅうにいるんだなって本を読んで思った。王国は無くても、広がっていくと人がいる!世界史に出てこないだけで人はそこらじゅうにいたことを実感した。
千々和:ローマの吸収力は目立たなくなってきてはいるけどまだ吸収力ある。そこがローマがもったひとつの原因だといえるのではないか。底上げしながら。
司会:同盟者戦役についてまとめると。(絵で説明。)吸収力などローマ人の持つ気質によるのでは、と。

次回:司会藤田。書記鈴木。
次回は同盟者戦役の中身少し話す&時系列で後のほうに進んでいきます。3巻との推移も考えてきましょう!

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